そんなこんなで肉によってさばき方を変えて、同じように手を動かして包丁を使っていると、なんだかんだで定時になる楽しいお仕事。あれ?これルーチンワークかな?
今日は給料日。久しぶりに楽しいことをしに行こうかなっと足取りも軽い。オレの働いている労働の区画iraを抜けて、歓楽街のluxuriaに向かう。この街は七つに区分されていて、それぞれにそれっぽい名前がついている。……人類は罪深い。盲目の羊と七本の十字架がなんたらかんたら……という設定があったけど、詳しいことは忘れた。
ともあれお気に入りの【略】店『【略】』に到着。錆びててボロっちいネオンがケバケバしい。いつもの通り指名をして時間まで待つ三十分。今は誰かとプレイ中かな。別にいいけどね。折角だから変なオプションをつけてやる。壁に並んだボタンを押す。少しして、ブザーがブザーと鳴って3番の個室に通される。
「お帰りなさいませー。」
オプション通りの格好。吹き出しそうになる。それを察してかケゲンそうな顔をする。
「……あんたなら、うちでタダで【略】。」
もう知っているかも知れないけど。知ってた?この子がオレの恋人にして【略】のユーラ。家で【略】オトコ心を分かってくんねェかなぁ。
「はいはい。今日は、お客様としてね。」
声に出してないのに通じている?ユラのこういうところが、たまらなく好きだ。体に【略】、すいっとかわされてしまった。
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- 14「帰ってくるさ。また会えるさ。」試し読み終了
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- 12「全然そんなの無視して、見ないようにして生きていくのもできたのじゃないだろーか。」
- 11「精神が、魂も空に上っていくとするならば、もうあの街に届いているかも。」
- 10「捨てたモノの中に宝物が混じっているように、この街の人間にもチャンスが残されている。」
- 9「 私達の心には闇がある。」
- 8「一度は否定しても、胸の中に湧き上がってくる感情が、その否定を否定する。」
- 7「同じく肉は食べられないヤツでも、今度は普通のベジタリアンが現れた。」
- 6「愛する愛さないってのは血の繋がりとかじゃないでしょ!」
- 5「空を見上げるとあの街の明かりも消えていた。」
- 4「区役所についた時は夜の礼拝の時間だったみたいで、その場にいる人らは皆して床にひざまずいていた。」
- 3「ユラはオレを三畳にも満たない部屋に招き入れた。」
- 2「今日は給料日。久しぶりに楽しいことをしに行こうかなっと足取りも軽い。」
- 1「天使様達がこの世界を変えようと宇宙で闘われたらしい。」
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